2013年5月20日月曜日

待機児童ゼロ達成 賞賛の一方で検証も必要だ



 横浜市の林文子市長が本日5月20日の会見で、待機児童がゼロになったと発表したそうです。ハード面の設備を充実させたことや、利用者と直接連絡を取り合ってサービスや保育所を紹介したりする保育コンシェルジュ制度の導入、役所内の連携など、いろいろな取り組みが功を奏したということでしょう。

 横浜の状況については先日、地元議員に取材をして、なかなか全国ニュースにはならない、現場の実態や悩みを聞きました(近いうちにインタビュー記事として公開したいと思っています)。実際には前の中田宏市長時代から、保育に関する取り組みは改善されていたようですが、最近のニュースでは高く評価されている「横浜保育室」については報じられていない限界がありそうですし、保育所などを急に増やしたことによる新たな問題もあるようです。それに、「本当にまったくゼロ」ということは、おそらくないでしょう。とはいえ、統計上でも一旦はゼロになったということを前向きな評価してもよいのではないでしょうか。

 「ちょっと待て」という市民はたくさんいると思います。想像ですが「保育サービスを利用できてはいるけれど希望とはほど遠い」とか、「うちは横浜保育室を使ってるけど本当は認可保育所に預けてもっとがっつり働きたい」とかいう家庭は少なくないと思います。また夏に控えた市長選に向けたアピールだという見方をする人もいるかもしれません。問題もたくさんあると思います。

 それでも、数年前までの市のサービスや設備だけでは保育所に入れなかった子どもが、ここまで充実したために入所できたというケースは少なくないでしょうから、やらなかったままだったことを想像して比較すると、絶対にやってよかったと言えるのではないでしょうか。

 取材の際に議員に紹介してもらって購入したのが上に画像を貼った「調査季報 vol.172 特集 横浜の子育て支援」です。市役所で500円で売っていますが、webで記事が無料公開されています(!)。これをみると、多角的に待機児童ゼロに向けて取り組んできたことが分かります。関心のある方はご一読されるといいと思います。またぜひ関係者(市、保育所、コンシェルジュ、保護者など)に取材したいと考えています。