2024年10月の宅地建物取引士試験を受験し、合格しました。勉強を始めたのが今年のゴールデンウイークで、5ヵ月強~6ヵ月弱で合格したので、もっと短期合格された方もいらっしゃるものの、まぁまぁ早いほうではないかと思います。
合格点が今年は37点で、自分は自己採点で38点だったので、超余裕ということでもないのですが、どういう勉強をしたかまとめておきたいと思います。
筆者の不動産関連知識はどれくらいかというと……
筆者は不動産会社に勤めているわけではありませんが、過去に在籍した会社で、賃貸物件のウェブサイトを作っていたことがあります。物件の案内などをしたことがあるわけではありません。
その当時から宅建の資格は取りたいなとなんとなく思っていました。
また、大学は法学部を卒業しているので、(もう相当前ですが)民法などは学んでいますし、法律的な考え方や、独特な文体の法令や判例を読むのは、まるきり初めてという人よりは多少アドバンテージがあったかもしれません。
なお現在は、Webメディアの編集をやっていますが、不動産の記事に触れることはありません(つまり合格しても、資格を使う予定はない)。
独学。一番の教材はYouTube オススメチャンネル
スクールに通ったり通信教育を受けたりはせず、独学しました。一番の教材はYouTubeです。
宅建士試験受験生なら誰もが知っている、●棚田行政書士の不動産大学(上画像)です。ここにはかなりお世話になりました。というか、棚田さんのチャンネルとの出会いがなかったら、合格していなかった、さらには受験まで勉強が続けられたかどうか自信ありません。
覚え歌で35条書面や37書面攻略できましたし、短尺の動画がたくさんあって見やすく、学びたい内容のプレイリストをすべて見ては問題を解いていました。覚え歌は本当に役に立ったうえ面白いのですが、それより考え方や勉強の仕方などメンタル面、学習の進め方などの面でも本当に助かりました。
下で触れていますが、棚田さんの書籍に出合えたことも、学習が続けられた大きな要因だと思っています。
他のチャンネルもいろいろたくさん見ましたが、よく見たチャンネルはこのあたりです。
●こざりえの宅建合格講座……「重説に期限なし」とか、ピンポイントでありがたい情報多数。法令や制度の見方・理解の仕方を学んだ。元プロ野球選手の宮國君(宮國椋丞選手)が生徒役で楽しい
●八木流 覚えない宅建合格術……タイトル通り、暗記を否定しつつ、もりもりの情報をち密に整理したスライドをして制度の本質的な理解を促す、独自路線の盛りだくさん講義。自分は宅建業法が苦手だったので、試験直前の宅建業法120問ノックはすごく助かった
●よし屋の宅建一粒万倍講座……コンパクトで分かりやすく見やすいスライドをもとにした講義。重要なポイントをしっかりおさえるのに向いている
●中村喜久夫チャンネル【宅建士試験】……明海大学不動産学部教授。過去問をいくつかやった。直前期には中村先生監修の過去問をやったが、とてもよかった
●マジでイケてる宅建講座【ゆーき大学】……初期にいくつか視聴
●あこ課長の宅建講座……暗記のためにいくつか視聴
●宅建吉野塾、●宅建みやざき塾…………LECや日建学院とコラボなどしている先生方
勉強は基本的に棚田先生のYouTubeを見て、過去問を解いていきました。
10月20日まで約6ヵ月弱の勉強スケジュール
勉強を始めたのが4月末ごろだったので、最初の予定はざっくりこうたてました。
5月 宅建業法をやる
5月下旬から 宅建業法を続けながら法令上の制限をやる
6月下旬から8月中旬まで 宅建業法、法令上の制限をやりながら権利関係を始める
8月下旬から10月初旬まで 宅建業法、法令上の制限、権利関係やりながら税・免除科目をやる
こういう大まかなスケジュール感で始めました。
実際には問題を最初に解いたのが以下の日付です。
宅建業法 4/29
法令上の制限 6/4
税・免除科目 7/11
権利関係 7/21
5月は宅建業法だけやり、6月に入って法令上の制限もスタート。権利関係と税・免除科目に入ったのが7月の下旬ですね。
権利関係の問題を”一通り”やりきった(一番最後の相隣関係や留置、占有などの問題を初めてやった)のが8/31でした。
この時期はかなり慌てて、権利関係の終盤はスピーディーに進めました。
というのも、9月に入ったら毎週日曜に模試をやろうと思っていたからです。
そして9月に入ってから毎週日曜に模試をやりました。会場に行って受ける模試ではなく、購入して自宅やファミレスで受けました。後でどの予想模試を買ったか紹介しますが、2冊買って合計7回分をやったほか、LECの無料配布予想模試もやりました。
使った問題集やテキストはこれ
まず問題集はこれです。各過去問のページに、おまけで「これも解いてみよう」という位置付けの問題が併載されていたのがよかったです。基本的に見開きで完結、左ページに問題、右ページに回答なのですが、ページ下部にも関連する問題がいくつか載っているので、1見開きをやると、1問ではなく数問解くことになって、たくさん問題ができてよかったです。
参考書はこれです。かなり独特な教え方をしていますが、一番役に立ったのは、用途地域の表でしょうか。これの語呂合わせは覚えやすかったです。
途中、棚田先生の動画を見てこの参考書(虎の巻)を追加しました。宅建士のテキストは基本的に、試験が終わると翌年度分のものが発売されるので、翌年度(つまり受験年度)の法令改正などに対応していません。
たとえば、来年、2025年度の受験のための問題集はもう出ているわけです。
この虎の巻は、その該当年度になって発行されるので、試験がある年度の法令改正にも対応しているのです。
また、棚田先生の解説で、この虎の巻にだけ解説が載っていたと何度か説明されていたこともあって、買いました。
新宿の紀伊国屋で立ち読みをして、分かりやすいと思ったテキストと、見やすく問題もまぁまぁ多そうな水野先生の神テキストを選んだのですが、今思えば、テキストと問題集は揃えたほうがよかったなと思います。
あと通退勤時の学習に役立ったのがこれ。
問題集や参考書はこれらを使ったのですが、勉強法としてはこれがベースになりました。これも棚田先生の書籍です。
下の書籍紹介の画像にちょっと映っていますが、大量記憶表という名の進行表を書いて問題を一定の間隔をおきつつ解き続け、記憶を定着させるというものです。
これが本当に良かったです。「見える化」は本当に大事だと思います。自分がノートに作った大量記憶表はこんな感じです。
模試は上でも触れたとおり、会場などに行って受けたりはせず、市販の予想模試を2冊買ってやりました。
合格した元宅建受験生が勧めている動画などをいくつか見て、この2冊にしました。
最終盤の勉強 模試の結果、苦手は宅建業法だと判明
5月から勉強を始めたことになるので、まぁまぁ遅いスタートでしたが、棚田さんのYouTube動画でも、焦る必要はないとされていたので、とにかくあせらず毎日コツコツやりました。
勉強を始める前は、YouTubeをヒマな時間にみていましたが、勉強を始めてからは、ヒマな時間、ちょっとした空き時間にみる動画はほぼ宅建関連になりました。
よくない習慣と思いながらも、ベッドで寝る前に動画を見てしまうのですが、そこでも棚田先生の動画を1ー2本は見てから、他の動画を息抜きにちょっと見て寝ていました。
在宅ワークが多いのですが、出勤する日は早朝出かけて会社の近くのカフェに始業の1時間から1時間半前に到着して勉強していました。
たまの出勤日は、帰ると疲れて勉強する気が起きないことも分かったので、朝と同じカフェにまた行って勉強してから帰っていました。朝もらったレシートを出すと50円引きになるのサービスは重宝していました。
2杯目50円引きのレシートを出し忘れて地味にショック。金額より、忘れたウッカリぶりが悔しい。 pic.twitter.com/5VGqIe2vsu
— 濱田 優 |編集・ライター👑 ZUU Co.,Ltd. (@masaruhamada) July 23, 2024
9月に入って模試を受けてみたところ、34点とれました。ただLECの予想模試の第一回は比較的簡単で、合格基準点が37点とされていました。
その後、毎週日曜に模試を受け続け、一度だけ30点を割りましたが、あとは31点、33点、35点など、だいたい30点くらいは取れることが分かりました。
そして、一番難しいとされる権利関係(いわゆる民法)が、14点のうち8-9問くらいはできることも分かりました。
宅建はそもそも以下のような点数配分になっています。
権利関係 14点
法令上の制限 8点
税法その他 3点
宅建業法 20点
その他・免除科目 5点
そして、それぞれの目標点数がこちら
権利関係 9点(最低7点)/14点(64%)
法令上の制限 6点/8点(75%)
税法その他 2点/3点(66%)
宅建業法 18点/20点(90%)
その他・免除科目 3点/5点(60%)
つまり、宅建業法と法令上の制限は外してはいけない、ほぼ正解でないといけないということです。
それくらい、権利関係(民法)は難しいわけです。
自分は模試を早く受け始めるために、権利関係の勉強はそこそこだったので、それでも権利関係がかなり取れたことは手ごたえとして感じていました。
一方で問題は宅建業法です。
毎回、18点を目指してやるのですが、12-13点ばかりでした。
9月下旬になってもこの傾向は変わらず、10月になったらとにかく宅建業法を完璧に仕上げる必要があると感じていました。
ただ、このころになると、問題集はかなりクリアできるようになっていて、覚えてしまった問題も少なくありませんでした。
そこで、10月にたくさん問題を解くために、過去問集を買うことにしました。
過去問集にこれを買ったのが良かった
過去問集はその名の通り過去の問題が掲載されているので、どれも同じだろうと思いがちですが、色や大きさなどで見やすく感じるものもあるので、出勤した際に大きな書店に行って選びました。
悩んだ結果、こちらを購入しました。
選んだ最大のポイントは「分野別」になっていることです。
そもそも宅建問題は50問で、必ず最初の14問が権利関係、そして法令上の制限、税法その他があって、26問目から45問目までが宅建業法、最後の5問(46-50)が免除科目と決まっています。
自分は宅建業法をとにかく徹底してやりたいと思っていたので、たとえば、「分野別」ではなく「年度別」の過去問集を買っていたら、その年その年の問26のページを探して開かなければいけません。
その点、「分野別」なら、何年に出たかではなく、その問題が問ういている分野ごとに分かれています。上の画像から分かる通り、分野別で分冊されているので、宅建業法をやりたいなら、その1冊を持ち出せばいいわけです。
結局、この分野別過去問集は、10月に入ってから買ったにもかかわらず、3周くらい回しました。宅建業法は過去12年×20問なので、240問ありますが、4日で一周目を終わらせました。
その後は、それまでに使っていた問題集で、よく間違えていたところを繰り返してやりながら、過去問をとにかく繰り返しました。
ただ、権利関係は深入りせず、過去問では宅建業法と法令上の制限を徹底的にやりました。
結果は過去最高得点だった 宅建業法は狙い通り
宅建業法 19点/20点(95%)
免除科目 5点/5点(100%)