2022年5月5日木曜日

2022GWに映画館で見た3作「カモン カモン」「ベルファスト」「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」

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ゴールデンウイークは毎年、映画館でたくさん映画を観ることにしていて、2022年は3本観賞したので、その感想メモ。

「カモン カモン」 子供を一人の人間として扱うなら

GW1本目は「カモン カモン」。「JOKER」でアカデミー受賞したホアキン・フェニックス主演。NYで一人暮らし、ラジオ番組の制作をしており、子供たちに未来について聞くインタビューをしている主人公。ロスに住む妹が、夫の看病で付き添いをしなければならず、その間、妹の子供(甥、9歳)を預かることになる。独身子無しの主人公は、好奇心が旺盛な甥に振り回されるが少しづつ距離が近づいていく。

全編モノクロ。子無しのおじさんが、初めてママのもとを離れることになる、好奇心旺盛でちょっと変わった9歳の少年の相手をすれば当然、疲れるはず。劇中、男の子のママ(主人公の妹)も主人公に向かって、「自分も疲れる、嫌になることがある」というようなことを吐露していたが、それも当然だろう。理不尽で時に理性的な(と大人が思う)判断ができない。子供はそういうものだと分かってはいても、イライラとするが、その過程で気づかされることも少なくない。

ただ、何か重要な判断をするときに、子供の意見を聞くのはともかく一票投じさせるのはどうかとも思う。もし投じさせるなら、その結果を受け止める覚悟が大人には必要だろう。「どうしたい?」と聞くなら、子供が「こうしたい」と言ったことを実現させてやること。する気がないのに、大人の都合のいい答えを期待して聞いて、違ったら「それはできない」というなら、聞かなければいい。子供も一人の人間として扱うということで、尊いことではあるが、おためごかしとも言える。

また子育てにせよ対人関係にせよ、国や文化、慣習によってそれぞれ異なる。現代のアメリカでは、こういう形もあるのね、という程度にとどめればよい。アメリカの常識が世界の常識でもなんでもない。

「ベルファスト」 生まれた土地を離れること

GW2本目は続けてモノクロの「ベルファスト」。監督ケネス・ブラナーの半自伝的作品とのこと。北アイルランドのベルファストが舞台。宗教的な対立で暴動が続く街を離れて英領の新天地に移住しようと家族に提案する父と、生まれて以来住んでいる地元を離れたくない母は対立し、家庭不和に。

「生まれた土地でずっと住んでいるから」という理由でその地を離れたくない気持ちは、これまた尊い気がするし、そういう思いが地域社会・ふるさとというものを成り立たせているのだろう。その反面、センチメンタルな、感傷的な思い込みであり、変化を嫌う、回避的な行動でもあるとも言えそう。

離れた後にどういう暮らしをするのか、どう生きるのかによって、離れることの意味、成否の評価は変わりそう。

「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」 マルチバースはなんでもアリにする禁じ手では

GW3本目は「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」。 

ドクターストレンジとしては2作目だが、スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームの続き。スパイダーマンで別のユニバースにつながってしまった世界の話。途中ホラー感あるのは監督がサム・ライミだから?

何を書いてもネタバレになりそうだけど、とにかくマルチバースで並行世界の存在を認めてしまったら、全部アリになってしまう(特にスパイダーマンは分かりやすかった)ので抵抗感を覚える。

例によってクレジット後にも映像があって、当然ながら次作へのつながりが示唆される。広がりまくったMCU、今は次のステージに移行しつつある時期だと思うので(前のステージはアイアンマン中心のアベンジャーズ期)、次はどういう感じになっていくのか、気にはなるので観続けるとは思うが……。


映画館ではなく配信で、「マイノリティ・リポート」「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」「エージェント・マロリー」を観た。疲れててスカッとするのが観たい気分のよう。