2013年5月3日金曜日

「アメトーーク! 将棋たのしい芸人」で考えた“言葉の選び方”

 

実現したいことは言葉にしたほうがいい、話したほうがいいといわれる。助力してくれる誰かの耳に入るかもしれないと期待できるということもあるだろうが、言葉にするこで成功のイメージを持ち、成功に近づきやすくなると信じられているということも理由だろう。不吉なことを口にすると縁起でもないと言われるなど、言霊は広く信じられている。前向きはな言葉を使うことで前向きな気持ちになり、可能性や能力を広げられるだけではなく、逆に自分の言葉が自分をしばるということもある。これは何も日本に限ったことではない。海外のドラマでも“Say it”と相手に約束事を言わせるシーンをよく見る。

 だから同じことをいう場合でも、なるべくポジティブな言い回しをしたいと思っている(ちょっと逸れるかもしれないが、お土産を渡す時は「つまらないものですが…」などとは言わないようにしている。「気に入っていただければいいのですが」「お口にあえばいいのですが」といった言い方をする)。 

 しかし自信がないと、ネガティブな言い回しに、知らず知らずのうちになってしまう。 

 昨日、5月2日放送の「アメトーーク!」のテーマ(くくり)は「将棋たのしい芸人」だった。
 序盤、駒の説明をしているときに、香車が好きというペナルティのワッキーがその理由について、ズバッとまっすぐ前に行って戻らないところが、ウケるかどうか分からないネタを思い切ってやって終わったらサッとひく自分に似ているというような説明をしていた。彼らは、笑いが取れるとは限らない、博打を打ち続けているわけだ。なるほど、と思ったのだが気になったのは彼の言い回しだ。
 ワッキーはそのとき、「スベるかスベらないか」という言葉を使った。「ウケるかウケないか」ではなく。

 別にワッキーを批判したいわけではないけれど、そこに、彼が芸能界で置かれている状況や世間からの評価、それらに対する自身の認識というものを感じて、少し切なくなった(ちょっと失礼かもしれないが)。それに、これは自分の勝手な決めつけで、ご本人は自信満々だったのかもしれないのだが……。

  自分も、自信のないときは控えめな、ネガティブな言い方をついしてしまうので、気をつけなければいけないと思った。自分がこう思っているということは、自分のネガティブな言い回し聞いて、「あ、濱田は自信がないんだな」と思われたり(気づかれたり)してもおかしくないのだ。 

 自信をもって話せるようにするには念入りな準備も必要だろうが、思いがけない、ふとした瞬間にこそ自分の精神状態を表す言葉が口をついて出るものだろう。改めて気をつけたいと思った。