2014年1月15日水曜日

都知事選の争点は「脱原発」?——争点を決めるのはマスコミなのか



 都知事選を目前に控え、「原発が争点だ」というよく分からない主張をしている立候補予定者がいる。それだけでなく大手マスコミの一部も争点に据えていて、これまた意味が分からない。
 「都は東電の大株主だ」というけれど、議決権全体に占める割合は1.34%しかないそうだし、「国全体で考えるべき問題だ」と言われれば、「そりゃそうだ」としか答えようがない。毎日にいたっては「小泉氏が指摘するように、選挙結果は国政の動向にも影響する。一極集中の象徴、東京だからこそ逆に争点化にふさわしい」”逆に”と言い出す始末で、売れない芸人でもあるまいに、”ギャグに”もならない。脱原発の主張をするのはいいけれど、しかるべき場所で主張してほしい。小泉さんは嫌いではないけれど、国会議員にまで「小泉劇場に期待」と言われると「ちょっと待て、利用すんな」と返したくなる。

 毎回選挙のたびにマスコミが「今回の争点はこれだ」と報じるが、その検証がされないのはどうなんだろうかと疑問に思う。昔どうだったのかは知らないけれど、小泉さんの「郵政選挙」のように、最近では立候補者がいうこともあるようだ。果たしてこうした「押しつけの争点」は選挙民の感覚と合っているのだろうか。マスコミは「合っている」と強弁するだろうが、本気で言っているのだろうか。「感覚とずれているけれど、社の方針だから」とやっているだけではないのだろうか。明日の一面を何にするかを決めるのは各新聞社の勝手だが、選挙の争点を押し付けるのは勘弁してほしい。
 たしかにどういう主張をするかは勝手だし、言われたほうが選びやすくなるという選挙民もいるのかもしれないけれど、それならせめて事後検証はしてほしい。投開票時に調査をして選挙民の投票行動を分析すれば、何が本当の争点だったのか、自社の争点設定が合っていたかどうかは検証できるはず。都民の行動から「これが争点だった」と分かったら、「間違っていたかどうか」は分かるはずだ(選挙に限らず自らを省みることは形しかしないものだけれど)。それもしないで言いっぱなしなんて、ペナントレースの予想でも許されんだろう……。

 ところで河野太郎さんの案「知事と副知事をセットで選ぶ」というのはいいと思った。これなら”無駄な”出費をしないで済む。出身の山口県でも知事選があるようだし、この案を採用するかどうかはともかく、制度改革は検討すべきではないだろうか。