2014年1月20日月曜日

誰に対して言ってるのかよく分からない記事



新聞の見出しは記事の筆者が付けるのではないけれど、1月18日の朝刊13面、解説面の記事に付けられた「芥川賞 ゴールではない」にはちょっと引っ掛かった。「え、今さら?」「誰に向けて言ってるの?」という意味で。新人賞であるということは、芥川賞に関心がある読者は知っているはずだ(「あの受賞者を″新人″というの?」という実感があることは別にして)。

記事を読んでみると、過去の女性受賞者のこと、批判されながらもやがて認められるに至った受賞者のことを題材に書いていて、締め括りかたからしても、この内容ならこの見出しが付けられてもおかしくない(見出しを付けた人は悪くない)。

記事の最後は「新人賞の芥川賞をゴールと勘違いしたら、文学の終わりが始まる。」と締め括られているが、これは誰に対していっているのだろうか。

作家に対して? 作家が受賞をゴールと思うはずがないだろう(居たとしても余計な気もするけれど)。文学の読者に対して? 読者がそう勘違いしたら「文学が終わる」のだろうか? まさか…。

総じて何が言いたいのか分からない記事。「お祭り騒ぎの報道を見て何か一言言いたくなっただけ」という感じ。個人のブログならいいけど、商品である紙面に出して客に読ませる品とは思えない。いくら筆者の名前と顔を出し、名前にちなんだ連載タイトルをつけてコラムっぽくしたとしても、無理があると思った。