2016年2月28日日曜日

取材依頼の「それなら仕方ないか」と思わせる断り方とは? Yahoo! JAPAN取材お断り問題





ジャーナリストの藤代裕之氏がYahoo!個人に書いた『取材に対してウソをつく組織「Yahoo! JAPAN」が信頼と品質など担保できるわけがない』が話題になっている。Yahoo!への批判を同社のウェブ上で書いたという点も話題性を呼んだ理由だろうが、やはりその経緯は考えさせられるものだった。

記事によると、藤代氏がYahoo! JAPAN宮下社長へYahoo!ニュースについてのインタビューを申請したところ、「Yahoo!ニュースについては担当責任者に語らせたいというのが社長の意向」との理由で断られたという。しかし、朝日新聞に宮下社長のインタビュー記事が掲載され、まさにYahoo!ニュースについて社長本人が語っていたといい、藤代氏が「ウソはいけません」と批判しているのだ。

本件については、一方だけの説明で断罪すべきではないだろうが、藤代氏の意見が正しいように思える(自分がジャーナリストの肩を持ってしまうだけのかもしれないが)。

どちらが正しいかはさておき、ある程度の事実がここに書かれているという前提でいうが、取材依頼を受けた企業がどういう対応をすべきなのかという点については、あらためて企業は考えたほうがいいのではないだろうか。

もちろん取材を受けるのは企業にとっては義務ではないので、断ってもいい。とはいえ「あなたは嫌いだから取材を受けない」とは言えないだろうから、そこはウソも方便だろう。だがバレる可能性は十二分にある訳だし、そもそも自社に興味をもってくれたことは間違いない訳で、真摯に対応すべきだろう。あまり慇懃無礼になってもいけないが、「それなら仕方ないか」と思えるような、お断りの理由を考えるべきではないだろうか。

特に規模が大きくなり、知名度が上がるほどに、こうした事態が起きたときのイメージダウンは大きくなるのだ。

ゆめゆめ「Yahooが『ウチくらいの存在になれば、ちょっとしたネガティブイメージくらい、大したことない』と考えている」とは思わないが。