甲子園の過酷を汗と涙と美談で覆い隠すのはやめるべき

Webメディア「こむすぽ」に寄せる記事のネタとして、高校野球のことを書けないかと考えた。

© DX Broadrec


最近では、タイブレーク制の導入などの話が持ち上がり、ダルビッシュ有選手が学年ごとに投球回の制限をつけることを提案したことが報じられたが、少なくともそれくらいは必要だと思う。そもそも、春夏の甲子園は抜本的な改革が必要だ。

あの炎天下、連日試合をさせられ、勝ち残れば17−18歳の若者が100球も200球も投げた翌日にまた投げる……。それを汗と涙と美談というフタで覆い隠すのは時代錯誤も甚だしいと思う。

こういうことを書くと、「高校球児の夢を壊すのか」とでも言われそうだけれど、何も甲子園なんかやめてしまえと言っているのではない。一高校スポーツにしてはマスコミで取り上げられ過ぎな気もするが、そこで活躍した選手はプロ野球選手になることも多いし、プロ野球は依然大きなビジネスなわけだから、大きく取り上げられるは仕方ないだろう。人気や注目のネタは大きく取り上げられるものだ。いくらマイナースポーツが不平等を訴えたところで、そもそも平等である必要もない。

だが、それこそ「肩を壊してでも投げる」というようなことを美談にしていてはいけない。子どもを教育し、指揮管理する責任のある大人まで一緒になって、汗と涙で目を曇らせてはいけないと思う。甲子園大会の期日をのばせば、球場や阪神タイガースの興行に影響があるのだろうが、それは結局大人の都合だろう。

延長回数の制限やタイブレーク制の導入という話がでたのもいい機会だから、高校野球ファンこそ考えて、ファンとして声をあげてもいいのではないだろうか。

ところで、この話を考えていてちょっと気になって高校球児の数を調べてみたら、意外なことが分かった。少子化で子どもは減っているのに、高校球児は増えているのだ。

文部科学省の公表による高校の生徒数は、H25年度(2013年度)で332万人。一番多いときで平成元年度(1989年度)の564万4000人。その次に多いのが昭和40年度(65年度)の507万4000人だ。一番多い時の6割くらいにまで減っている計算になる。

出所:文部科学省

しかし日本高野連の硬式野球部員数統計によると、最新の2014年5月現在で17万人、ウェブサイトで公表されている最も古いデータで昭和57年(82年)の11万7000人だ。この間、右肩上がりで増えたわけではないが、増減を繰り返しながらも緩やかに増えている。また、高野連の加盟校も3488校(82年)から4030校(2014年)に増えている。

出所:日本高野連ウェブサイトデータより作成

文部科学省のデータは昭和23年度からと古いので、高野連が公表している昭和57年以降のものだけカットしてみるとこうなる。
高校生は減っているなかで、球児が少しずつ増えていることは分かる。

高校生の数がすなわち15-18歳の男女の数とは限らないまでも、これはなぜなのだろうか? 識者や専門家の意見を調べてみたい。