2013年5月14日火曜日

見られてますよ、あなたのメールアドレス

 仕事で交わす名刺に書かれたメールアドレスは、だいたい主の名前です。名字だけ、フルネーム、ファーストネームだけ……。順番も氏→名の場合もあれば、名→氏のこともあります。キャピタライズする、ドットを入れるなどいろいろですが、たいがいは名前です。
 最近仕事で、学生数十人の名刺データを触る機会があって、彼らのアドレスの多くが名前とはあまり関係のない文字列であることに気付きました。

 学生のうちはそれでも困らないでしょう。交換するのは友達同士だったり、各種サービスを受けたり使ったりするための登録用でしょうから。しかし、学生時代につくったアドレスでも、社会人になる過程で使う可能性があるなら、就活で使うなら、相手にどういう印象を与えるかということについて、考えてみてもいいかもしれません。

 例えば、ちょっと口に出すのは恥ずかしい文章をアドレスにしていたり(必ずしもエロいものではなくとも)、子どもじみた名前、厨二ぽい文字列だったりすると、もらった人はどう思うでしょうか。「友達同士で使ってただけなのに…」という学生のノリを、「微笑ましい」と流してくれる人ばかりではないでしょう。

 アドレスなんて最初に一回打ち込めばあとは気にしないし、こちらから先に送れば、相手は返信する形になる(登録も勝手にされる)ので、深く考えることに大して意味はないのかもしれません。それに「プライベートで使うんだから何にしたっていいじゃないか」と言われればそれまでです。ごもっとも。
 しかしそれなら完全にプライベートでしか使わないという線引きは必要だと思います。

 ここでいいたいのは、何もアドレスを名前にせよということではありません。僕は、シブいアドレスの人がいると、つい由来を想像したり、場合によっては聞いちゃったりします。それくらい、その人に興味がわきます(そういえば携帯のアドレス診断なんか、性格分析がありましたが)。

 アドレスの付け方も人となりを示すための、いいプレゼンの機会にすることができるのです。趣味や格言、好きな物事……せめて何か話のタネになるようなものにしておきたいところです。

 仕事や就活などでつかうのであれば、それなりにこだわりの文字列を考え抜いてつけるか、名前にしてしまってもいいでしょう。その利点としては、名前が何通りかの読み方ができる人であれば、アドレスのアルファベットで相手は読み方を伝えることができます。。私の場合だと、「まさる」なのか「ゆう」なのか、アドレスで相手は分かります。
 また僕はフルネームの場合は必ず氏を先に表記するようにしていますが、そこにもこだわりの理由があります。

 自分の名前は自分ではつけられません。ですが自分のアドレスは(会社から与えられるものでなければ)自分でつけられます。考えすぎてイタいアドレスになってもいけませんが、少なくとも、自分のアドレスをみて自分のセンスが値踏みされているかもしれないということは、覚えておいて損はないと思います。



2013年5月13日月曜日

萎えるアニメ 萎えないドラマ――OP&ED考

 

 NHKアニメ「はなかっぱ」のOPがスパガ、EDがDream5とそれぞれ別のアイドルグループの曲になっている。特にEDはアイドルたちと着ぐるみのはなかっぱ、ももかっぱちゃんが一緒に踊っていてちょっと驚いた。キャラの着ぐるみは他のアニメにもあるが、主題歌を歌うアイドル、歌手と一緒に登場しているのは初めて見た。多分ほかにも同様の事例はあるのだろうが。この「はなかっぱ」の選曲の是非というより、アニメのOPやEDの曲選定はいつも考えさせられる、ということについて書いてみたい。

 まずタイアップどうかはともかく一番大事なのは、世界観とあっているかどうかだ。一時期、人気アーティストの楽曲をただ主題歌にしただけと思えるケースが結構あった。また人気が若干落ち目になったアーティストがどんな理由か知らないが()採用されることもあった。そういうのが一番萎える。

 人気アーティストの楽曲を使うことは、アニメファン、原作ファン以外の、そのアーティストのファンも取り込むことが期待できるメリットはある。

 しかし、それは邪道だろう。

 主題歌を選ぶのは監督や演出ではないのだろうから、押し付けられた制作陣とて忸怩たる思いはあろう。だが大人の事情で選ぶ余地がなかったとしても、視聴者全員が忖度してくれる訳ではない。そんな義務はない。ファンにしてみれば、OPやED含めた世界観を楽しみ、浸りたい。その統一感やいい意味での裏切りを期待しているし、値踏みしている。

 だからアニメの楽曲は世界観に合わせたオリジナル制作が一番いいように思う。ただ既存の曲にピッタリのものがあれば使ってもいいだろうし、アーティストに発注して作ってもらってもいい。


 最近のアニメはあまり観ていないが、それでもジョジョはOP、EDともによかった(一期、二期とも。神風動画の映像がさらに引き立ててた)。「宇宙兄弟」も楽曲やアーティストの選択にセンスがある気がする(進撃の巨人は悪くないけど、騒ぎすぎな気も)。

 OPやEDも含めて作品と考えるか、その部分をPRと考えるか、ということだろうか。


 と、ここまで考えて思ったのは、ドラマはどうだろうかということ。ドラマはタイアップじゃない楽曲はなかなか考えづらいから、よくよく考えるとドラマの筋や世界観とあってない楽曲ってかなり多いんじゃないだろうか。

 でも「ドラマはそんなもんだ」と思っているからか、楽曲の良し悪しは気にするものの、ドラマとの親和性、統一感みたいなものはあまり気にならない。これはなぜだろうか……。もしかして自分だけだろうか。よく考えてみれば、海外ドラマなんてテーマ曲は無いか、ジングルの長いやつみたいな、ちょっとしたインストだけってことも結構ある。


 楽曲は覚えてるけど本編はあまり…という作品もある(アニメ、ドラマとも)。本編が後々まで記憶されるほどの良作であれば、楽曲だって合わせて記憶されるのだろうが、ファンとしてはやはり、「なるほど」と想えない選曲はしてほしくないものだ。

2013年5月12日日曜日

お金がないから妊娠できないということの切なさ


<にんしんSOS>妊婦相談で虐待防止2割 大阪府事業で効果

 なかなかニュースへのもって生き方が苦しい感じもしますが、大阪府がこういう事業をしていたんですね。調べれば他の自治体でもやっているのかもしれませんが、妊娠の疑いが生じた時に何の懸念もなく受診できる人ばかりではないでしょう。アンケートの回答者が13歳から、というあたりからもそれは分かります。
 後のほうの段落に出ている大阪府医師会のまとめはこちら。



未受診妊婦:大阪府、3年で倍増 生活難、知識欠如

 経済的な理由で受診せずに出産した方が結構多いことに驚きます。にわかに信じがたいですが、「誰にも言えない」のではなく「お金がない」が理由というのはどうにかならないものでしょうか。

 こう書くと、「金がないのに子どもなんてつくるな」と思う方もいるかもしれませんが、それはむしろ逆で、「お金の心配をせずに子どもをつくれるように」しないといえないんじゃないですかね?


2013年5月11日土曜日

連帯責任という被害拡大システム

 

 ドラマ「ラスト・シンデレラ」の録画を昨日観ていたのですが、藤木直人さん演じる美容院の店長が学生時代野球をやっていて、甲子園の切符をつかんだのに部員の不祥事で出場辞退して出られなかったという設定でした。
 こういう話を聞くたびに、なぜ連帯責任を追わのか、何の教育になるのか疑問でなりません。

 高校野球は他のスポーツと比べて優遇されているので、有名税のようなものが押し付けられる面があっても仕方ないような気がしていましたが、よくよく考えてみればそれも酷いし、それも一昔前の話。もはや高校球児が特別という訳でもないでしょう。

 などと昨夜思っていたら、こんなニュースが。

東海大サッカー部で部員同士の暴力発覚、当面の公式戦辞退へ…

 これだけスポーツでの暴力が問題になり、ニュースにもなっているのに暴力をふるうなんて、バカとしか思えないのですが(真剣だから、というのはすり替え)、ともかく暴力行為があったとして、責任を問われるのは、暴力をふるった本人と、監督責任者、あと部長くらいでいいのではないでしょうか。

 もしそういう基準を明確に作ったとして、懸念されるのは、暴力行為があったときに、責任を問われないよう、関わらないようにする部員が多数出てくる(見てみぬふりをする、止めない)ということでしょうか。

 ですが、それだって止める奴は止めるし、止めない奴は止めないような気がします。

 所属コミュニティが責任を問われるということでいえば、大学生が事件を起こしたときに大学が会見を開きますけど、そんな必要なくないですかね? たとえばUSJでバカやったからって何で教職員が頭さげにゃならんのでしょうか? 大学の授業で行って教員が引率してて、というならまだしも。親が揃って会見を開くというなら、まだ分からなくもない気が…いや、それも違うな。大人なんだから、本人がやるべきなんきゃないですかね、もしやるなら(そもそも会見が要るかという議論もあるでしょうが)。

 やったことの責任は本人がとるべきであって、所属するコミュニティがとらなきゃいけないというのは(特別に合理的な理由がないかぎり)おかしいと思います。

 じゃなきゃ、複数のコミュニティいに属する、複数の肩書きを持った人が、いずれのコミュニティとも直接関係のないところで不祥事起こしたら、どこの誰が会見しなきゃいけないのってことになりませんかね。大学の講師とかさ…会社役員とかさ…。

 とにかく、同じ部で頑張ってた"無関係な"部員が巻き込まれるのは可哀想すぎると思います。
 



2013年5月10日金曜日

時代に合わないルールなんて替えちゃえばいい(のか?)



 大学時代に入っていたサークルで、下級生から規約(正式な名前は忘れた)を変えようという動きが出たことがあって結構もめたときに、「実態に合ってない決まり事なんて変えちゃえばいいじゃないですか」というような発言をされて、驚いて反論したことを覚えている。

 曲がりなりにも法学部に在籍していた僕は、長年守られてきたサークルの規約なんてものを、気に食わないからといってコロコロ変えていいもんじゃないだろうと思った。同級生のS君がまさに「憲法みたいなもんなんだから」と嗜めてなるほどと思ったように記憶している(そのS君は今は裁判官をやっている)。古いから、伝統があるからというよりも、ブレるからイカンと思った。その決まり、何のために存在するんだってことにもなる。
 その発言をしたのは理系の子で法律的な知識がなかった(もしくは考え方ができなかった)ようだったし、世の常として上級生は下級生を頼りなく思ってしまうものなので、「話にならんなぁ」と感じたような気がする。今思えば微笑ましい限りだ。かくいう自分も法学部といったって熱心でもない学生だったし。
 ただ”原則”をそうコロコロかえるのはよくないと思ったし、今もそう思っている。

 昨年、大勝して政権を取り戻した自民党が、維新など野党の協力が得られそうなこともあり、今度こそ本気で憲法を改正しようとしているようだ。96条を替えて改正のハードルを下げようといわれているが、果たしてそれはいいことなのだろうか。

 憲法は改正したほうがいいと思っている。「自主憲法でなきゃイカン」という立場ではないし、自民党の憲法草案も「それはアカンのちゃうか」と思う部分が結構あるから、あのまま実現されると困る(ゲンロンの「憲法2.0」(新日本国憲法ゲンロン草案)はちゃんと読み込んでないので、むしろこの際読んでみたいと思う)。どこをどう替えたほうがいいという考えがまとまっている訳ではないのだが、いくつか替えるべき条文はあると思う。

 「改正したいと思っているなら、改正のハードルが下がるのは歓迎じゃないのか」と問われるかもしれないが、そうは思わない。BLOGOSの座談でコバセツ先生がおっしゃっていることがもっともだと思う。
国民と憲法の間をウンと遠くさせておいて、日本維新の会の橋下さんが何か言ったら、「うまくいけば、3分の2行きそうだ」と途端に動き始めた。今、96条なら3分の2がまとまる。そして、96条を取っ払って過半数になったら、その後はどんなに分裂しても、自公で過半数を持っていると。これはどう考えても、姿勢として正しくないですよ。
小林先生も改憲論者の立場でありながら、今のムードを見て警鐘をならしておられ、頼もしい限りだ(とか書くと偉そうだけど)。右傾化警戒とかいうわけではないけれど、「憲法の改正」ということの重大さをもちっと考えて、広く議論されなきゃならんと思う。今はそういうニュースが盛んに流れているけれど、皆が議論している感じじゃあ、決してない。

 アベノミクスの恩恵を受けて投資資産の含み損が含み益をもたらしている昨今、山口県出身者でもあるので安倍総裁にはさらに期待をするものでありますが、国会勢力と、何となく高くなってる支持率を背景に、このまま一気に憲法改正に突き進むのはちょっと危険な気がします。

 このBLOGOSの座談、「(憲法論議は)あまり詳しくない」という方、「憲法改正されるんでしょ?」と何となく思っている方にオススメです。


2013年5月9日木曜日

AKB48研究生失格でも乃木坂46メンバーになれる理由


 元AKB48研究生の西川七海さんが乃木坂46で再デビューするそうです。AKBの研究生をやめたのは、「AKB48研究生としての自覚に欠けた軽率な行動を取った」というのが理由だそうですが、AKBの公式ライバルである乃木坂46ではその行動は問題ないという認識なのでしょうか。

 その「軽率な行動」というのが、男性とプリクラを撮ったことのようです。AKBは「恋愛禁止」ということになっていて、そのプリクラ撮影がひっかかるということなのでしょう。一時期、秋元プロデューサーが「恋愛禁止なんて言ってない」と述べたというニュースがありましたが、Google+では禁止と書いています。どうやら乃木坂も同様に恋愛禁止ということになっているようなので、これはつまり乃木坂はAKBよりも倫理のハードルが低いということなのでしょうか。乃木坂としては、あれはAKB研究生時代のことだから問題ない(乃木坂メンバーとして活動中に同じことをしたらダメだけど)ということでしょうか。

 別に西川さんの再デビューが気に食わないわけでも、乃木坂憎しということでもなく、どうせ戻ってくるのに活動自粛とか引退とかいってファンの前から姿を消すのってどうなんだろう、と思ったのです。西川さんの場合は自分から引退したわけではないですが、結局戻ってきたのは、プロデューサーが同じ秋元さんが務める乃木坂なので、拡大解釈気味ですが自作自演といえなくもない気がします。
 ほかにも、勉強に力を入れたいとか、留学したいとか言って、すぐ別の事務所からデビューしたりする人が結構いますが、見え見えだったりして辟易とします。大人の世界といえばそれでおしまいですが……。

 ただし、一度ミスを犯したり減点されたりした人が再起できないのはおかしいと思います。「そもそも活動を自粛しなければいけなかったのか?」とも思いますし、せっかく再デビューするのだから、当時から待っていたファンもいるはずですし、ぜひがんばってほしいと思います。乃木坂もアイドルグループのワンオブゼムから抜けきれないし、AKBも一時の勢いは失いつつあるようなので、話題になることは歓迎なのかもしれません(自分としては、48グループについての関心事はもはや、こじはるがいつ卒業するのかという点につきます……)。

2013年5月8日水曜日

そのFAX、メールじゃダメですか?

 


 FAX使ってますか? 最近いつ使いましたか?



 自分はなるべくFAXを使わないようにしている。プレスリリースがFAXできたら、送り先に連絡してメールに切り替えるようお願いしている。多いところだとA4で5枚にも10枚にもなるので、紙がもったいない。メールにPDF添付して送ってくれればそれでいい。

 紙の節約という意味では、会議で使う資料だって、印刷して配布する必要性の高いものはともかく、そうでないものはなるべく印刷しないで済ませたいと思っている。原稿、ゲラのチェックとか細かな確認はディスプレイよりも紙のほうがやりやすいと思うが、紙で配られる資料のすべてが、紙でなければいけないということはないだろう。会議だって、参加者それぞれが端末を持つとか、スクリーンに投影して全員でそれを見るなど、いろいろ方法はある。

 だがPDFで資料や書類をもらっても、デジタルだけで完結できないことが多い。日本は書類に印鑑を押す文化の国だから、PDFでもらった書類を印刷して押印し、郵送やFAXで戻すことがよくある。それならまだしも、押印した書類をスキャンしてPDFにしてメールで送ることもあって、こうなってくると、「何やってんだ」という思いが頭をもたげる。とはいっても、デジタル署名、デジタル印鑑なんてまだ一般的ではなくて、自分も使っていない。アナログとデジタルの融合……などとひとりごち、ちょっと慰めてみる。

 たしかにFAXは、パソコンがなくても専用機と電話線があれば送れるし、手書きの文字や絵をそのまま送ることができる。メールよりも優れていると言えなくもない点があるような気もする(←回りくどい)。それに企業ならFAXと電話線はだいたいあると思う。

 だがFAXでないといけないということはどれだけあるだろうか。ラジオ番組のリスナーからの投稿とか、24時間テレビの応援FAXとかも、なくなったら主催者側が困るような気もするが、ビジネスではメールへのPDF添付でいいのではないか。メールを使わない会社だって今はあるし、PDFを全員に送らずともクラウド、ドライブにファイルを置いて各自がアクセスする方法だっていいと思う。

 会社を移転にあたって、FAXをメール受信できるサービスも検討した。社内の全員に周知させるのにハードルがあると思ってやめたのだが、ひかり電話のい1回線をFAXに占有されてしまうのは、ちょっと切ない気もした。



 何もFAXそのものがもう無くていいなどと言うつもりはない。会社の書類をすべてデジタルにせよとも言わない。
 でもビジネスでは、オフィスワークの現場では、FAXはもう使わないようにしていきませんか…?。





(ところでFAX送信するよう促してる書類で、送り先番号を紙の上のほうに表示するのって、嫌じゃないですか? 紙を置いて、いざダイヤル()しようと思っても番号見えないし)


(これ、会社で使ってます……)