2020年12月30日水曜日

運動しながら本が読めたら……Audibleとaudiobookを比較してみた


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AmazonのAudibleとオトバンクのAudiobookを試してみた。リモートワークがメインになって電車に乗る機会が減り、本を読む時間が減ったからだ。似ているようで異なるサービスを比較してみた。

Audibleの特徴 毎月1500円で好きな本+選書の計2冊読める 

まず試したのはAudible。Amazonのサービスで、毎月1500円でオーディオブック1冊が読める。読む本は単価が1500円以上の本を選んでもOK。2冊目以降は割引価格で買えるというサービス。

自分が試したのは夏のことだが、10月末からAudible側が選んだ『今月のボーナスタイトル』が1冊読めるようになったとのこと。つまり毎月合計2冊のオーディオブックが無料で(1500円かかるが)読めることになる。

なお自分が読んだのはこの本。『ディズニーCEOが実戦する10の原則』。使い方としては、ジムで有酸素運動をする時、トレッドミルで歩いたり走ったりする時に聴いた。スピードは基本的に1.5倍速以上で。

本書の感想についていえば、本書自体、オーディオブックが人気で売れているだけあって面白かった。アイガーがいかにのし上がっていったか、その過程で本人が思ったことや感じたこと、そこからの学びが本人ならではの視点で整理されていて興味深かった。

それにディズニーという企業の拡大の過程も面白い。いつの間にか、ルーカスフィルムもマーベルも、ピクサーもみんなディズニーになっていた。恐ろしい。

ところでこの本での学びは、自伝はオーディオブックに向いているのではないかということ。本書ではアイガー本人の語りで話が展開されるので、頭に入ってきやすかった。

1500円で1冊選べるのは、ビジネス書を読みたい自分としては悪くないサービスだとは思った。ビジネス書でちょっと厚いものだと1800円とか2200円とかするからだ。実際、このアイガーの自伝も2200円する。

だが新刊は新刊で買って普通に読みたいので、むしろ新刊でなくてもいいので読み放題(聴き放題)のほうがいいのになぁ……と思った。そこで調べてみると、AudioStationというポッドキャストのようなサービスがあった。NewsPicksや吉本興業の芸人さんのバナーなどが並んでいたのだが、面白いコンテンツがなかったので、一旦退会した。

(11月からAmazonオリジナルのポッドキャストも聴けるようになったそう。ドキュメンタリー『DARK SIDE OF JAPAN -ヤクザサーガ-』なんかも聴けるらしいので、ちょっとまた使ってもいいかなと思っている)

audiobookの感想 毎月750円から聴き放題で「聴く日経」がある

次に試したのは、audiobook 。元Febeというサービス名で、毎月750円から定額読み(聴き)放題がある。すべての本が対象ではなく、聴き放題の対象の中から選ぶ。セールを結構やっている様子で、「聴く日経」があるのが特徴。

こちらでは聴き放題ということで、読まずじまいだったベストセラー『夢をかなえるゾウ』を1〜3まで読んだ(聴いた)。

このほか、メンタリストDaiGoさんの『メンタリズム』、内田和成さんの『仮説思考―BCG流 問題発見・解決の発想法 内田和成の思考』も聴いた(両方面白かった)。




聴いた数冊はたしかに面白かったのだが、読み放題の中から他に選びたいものがなかなか見つからなかった。

Audibleを辞めた理由が、「新しくなくてもいいから読み放題のほうがいいなぁ」だったのに、読み放題のaudiobookに来てみたら「読み放題とはいえ読みたいものがない」という感想になってしまった。

オーディオブック・音声コンテンツでインプットしてみて

その後、ジムを退会してトレッドミルを使わなくなったこと、有酸素中にK-POPを聴くのにハマったこともあって、今ではオーディオブックは使っていない。

だが毎日の生活の中で「本を読む」というまとまった時間が取れない人にとっては。“ながら”でインプットできるオーディオブックはいいと思う。「まとまった時間」と書いたのは、細切れの時間を積み重ねることで読書はできるじゃないか、とも思うからだ。

音声コンテンツは「ちょっと振り返る」ことがしづらい

ただ、本の種類や内容、また読む人の読み方の好みによって、まとまった時間に読みたいという人もいるはず。あと、細切れの時間しか取れない人は、音声で聴くより目で読んだほうがいいと思う。

なぜか。それは「再開する直前の流れを確認することが簡単」だからだ。どういうシーンで終わったか、何の話まで読んだのか。本であれば目で簡単に前のページや直前のシーンが確認できる。紙であってもタブレットであっても。

しかし、音声コンテンツだとそうはいかない。直前がどういう話だったか確認するには、ちょっとプレイバックする必要がある。それに10秒くらい巻き戻したところで確認できるかどうか分からない。そうした理由から、まとまった時間に一気にインプットするカタチでなければ、音声コンテンツは使いづらいのではないかと思う。

そもそも、本を読んでいて振り返りたくなることは結構ある。たとえば「あれ、このキャラは前回出たシーンで何て言ってたっけ?」とページをめくって一回戻るということは珍しくない。こういうことが音声コンテンツでは、しづらい。

あと、これも読む本の種類や内容によるが、今回試したビジネス書や心理学に関する本は、意外と考えながら読まなければ(聴かなければ)いけないので、“ながら”が難しい。ちょっと込み入った内容になってきたら再生速度を落としたりもするのだが、それでも考えながら聴いていて、内容についていけずにプレイバックすることが何回かあった。

もともと音声コンテンツを利用しようと思ったきっかけは、“ながら”でビジネス書の内容をインプットしたいということだったので、読む本の種類や内容をあわせるか、出発点だった読み方を変えるか(=“ながら”をやめる)しなければいけない。

こうしたことを考え、さらには上で触れたようにジムを退会したこともあって一旦audiobookも止めてしまった。

しかし、audiobookは「聴く日経」がよかったし、Audibleは自分が止めた後に追加サービス(今月のボーナスタイトル、オリジナルポッドキャスト)も始まっている。使い方次第(生活習慣の中への取り入れ方次第)だと思うで、新年になったら時期をみて再開してもいいかなと考えている。