2015年7月17日金曜日
映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」はDVDで観るべきじゃない
「猿の惑星」でチャールトン・ヘストンが務めた主人公のテイラー博士は最後、コーネリアスたちのもとと離れるが、一人ではなかった。ノバという女性を連れて馬で去る。異性の2人が一緒になることは、子どもがつくれるという意味で未来を感じさせるものだった。しかし最近観た映画で主人公は、一人で去って行った。
2015年6月30日火曜日
森川亮さんセミナー『シンプルに考える』仕事術をちゅうつねボーナスセミナーで聴いた
「ちゅうつねボーナスセミナー」で、森川亮氏に聞く「シンプルに考える」仕事術という講演を聴いた。森川さんの話を聴いてみたいのと、はあちゅうさん、経沢さんのサロン「ちゅうつねカレッジ」の雰囲気が知りたいのが理由。
2015年6月13日土曜日
コンテンツ制作者にお金が渡る仕組みをつくるには――下北沢B&Bで「ネットニュース時代のジャーナリズムとは」鼎談を聴いて
現代ビジネスの瀬尾傑さん、NewsPicksの梅田優祐さん、ニュースソクラの土屋直也さんの鼎談「ネットニュース時代のジャーナリズムとは」が下北沢のB&Bで5月27日夜に開かれたので聴いてきた。
日経鶴田問題 内部批判したスター記者「ネットで課金文化をつくりたい」
梅田さんのお話はNewsPicks関連のイベントに何度か出席してうかがっているが、瀬尾さんや土屋さんの話は初めて。
ソクラのことは知らなかったのだが、元日経記者の土屋さんが昨秋立ち上げたニュースメディアとのことで、立ち上げた理由について土屋さんは「新聞には制約があり、フリーのほうが自主規制なく書ける。中間管理職がとがった記事を丸くする作業をしていて、このままではジャーナリズムがなくなってしまうのではという危惧から」と話していた。
土屋さんは日経の経済部次長時代に、文藝春秋で鶴田元社長(相談役)を批判する記事を書いたことで知られる。現役の社員が元社長を批判するというのはなかなかシビれる事態だ。
土屋さんの説明によれば、日経の株主は社員のみで構成されていて、株主提案のハードルが低かった。鶴田氏は相談役という定款にあるポストだったので定款変更の提案を考えていたらしい。記事を出すにあたっても弁護士と充分相談し、発売後はテレビに出まくろうと思っていたが、発売4日くらい前に相談役辞めていたことが判明。このため雑誌が出てからは、なぜ蒸し返すようなことをと批判されたという。
日経は電子版の会員が40万人ほどで成功しているほうだが、「辞めたのは新聞の将来はないと思ったから」(土屋さん)とのこと。4200円という高い値段設定は、紙版が食われることを避けるためで、「安かったらもっと会員集まったかもしれない」としたうえで、「(紙の)新聞を抱えているとそこから脱出はできない。新しいものはできない」と言い切った。
そのソクラは他メディアの記事紹介(キュレーション)は無料だが、独自記事は1本10円で読める(近く20円にするとのこと)。読み放題は月500円。編集体制は内製もあるし、外部ライターも活用。独自記事の7割くらいは外部からとのことで、固定ファンがついてきたライターもいるらしい。そしてソクラの特徴は「続報リクエスト」。面白いと思った記事に対して読者が続報をリクエストできるものだ。
PV主義からの脱却が課題 「2chからくるような読者は要らない」
瀬尾さんはウェブメディアの課題として「PVからいかに脱するか」を挙げた。これはテレビの視聴率主義、雑誌の販売部数と同じだ。
例として朝日新聞の吉田調書問題を挙げ、見出しに「角度をつける」ことが行われている点に言及。「読まれるためにわかりやすく、センセーショナルなものがつけられている」と述べ、「記事の内容は価値あるものだったが、角度をつけてゆがめてしまった(もったいない)」とした。
瀬尾さんが編集長を務める現代ビジネスでは、PVに依存しないモデルをつくろうとしているといい、その手段として、「読者の質をあげる」ことを意識しているとのこと。別の言い方をすれば、所得層をあげる、ビジネスでも決裁権限を持った人たちにするということで、「2chとかからくるような人は要らない」と言い切った。
さらにネットメディアが過渡期にあるという認識を述べ、その理由を「既存メディアの問題点にソリューションを提示できていないから」と説明した。現代「ビジネス」というネーミングの理由を問われると、「広告単価があがるから」と回答。構成についてはハフィントンポストを参考に、「政治経済をメインに、話題になるものも入れる」方針だという。
土屋さんは吉田調書問題について「朝日の中間管理職問題」と解説。新聞は「1面アタマになりやすい見出し」をつける傾向があり、これは「現場記者が嫌がるようなもの」として、「局長などではなく中間管理職が決めている」と説明。「新聞の病の一端」と話した。
どうやってお金を稼ぐ(運営資金を確保する)か
堀江貴文さん、佐藤優さん、古賀茂明さんをはじめとした著名人のメルマガビジネスについて瀬尾さんが触れ、「メルマガつくるといった発想は?」と問うたところ、土屋さんは「ネットにジャーナリズムが残るにはプラットフォームにならなければいけない」としてメディアという選択肢にしたことを明かした。
梅田さんは「プラットフォームを自分たちでやっているかどうかがカギを握る。コンテンツ提供型には懐疑的で、FacebookやGoogleに握られてしまう」と危機感を明かした。コンテンツのばら売りについては、「それもありえるが、まずは有料文化・課金文化をつくりたいと考えている」と話した。
その上で、「最初は(ニュースや記事を)自分たちでつくる気はなかった」と明かし、「これからはプラットフォームとメディアの境がなくなる」との考えを披露。今年2つ捨てることにしたといい、それは「(自分たちが)メディアであるという概念」と「PV」だという。
現代ビジネスはウェブメディアだが、運営は講談社という出版社。瀬尾さんは雑誌読み放題のdマガジンについて触れ、「出版社にそれなりに(お金が)入ってくる(読まれた分だけ)」と一定の評価をしたうえで、「今は(紙と)カニバってないが、dマガジンユーザーが(紙を)買うようになるとは思えない。これで儲かってるうちに投資しないと(出版社はやばい)」との考えを提示した。
梅田さんが「これから価値が出るのはクリエイター集団」と述べたこともあって、質問として、「既存メディアにはクリエイター集団はつくれないのか?」というものがあった。これに対して梅田さんは「強烈なトップダウンでかえよう、かわろうとしているトップがいるか」がカギと話し、ビジネスモデルができればクリエイターの給料があがるから、既存メディアからウェブへの大移動が起こると話していた。
このほか、ウェブメディアが大手企業に買収される案件が相次いでいることもあって、メディアの買収についても話題になった。梅田さんは「売る気はない」と明言。土屋さんは「プラットフォームと組みたいという思いはあるが、独立性は担保したい(Gunosyには売らないw)」と話す反面、「コンテンツにいい値段がつかないのはプラットフォームが強すぎるから」との考えも示した。瀬尾さんは「僕は売りたい」と本気ともつかない考えを示し、海外ではメディアを育てて売るという流れが当たり前のようにあると指摘した。
* * *
ここからはざっくり感想。
ソクラのことを知れたのはよかった。
元新聞、元雑誌、元金融のウェブ業界という属性の異なる三者による鼎談という企画もよかった。「ジャーナリズム」という文脈からすると、NewsPicksは編集長の佐々木さんのほうがよかったのかもしれない(彼も元雑誌だが)。
ウェブメディアが広告以外のマネタイズ方法を確立できるかどうかは、ライター・エディターとしてだけでなく、メディア運営に関わる者としてもビジネス的に注視し、考えていきたい問題だ。
ウェブ上のコンテンツは無料であるという考えが当たり前だった時代を経て、cakesなどの登場もあって、「いいコンテンツにはお金を払う」ということが浸透してきてはいると思う。
偶然、朽木さんのインタビュー(と対談)を読んだばかりだったので、ウェブライターの立場で「どうやって稼ぎ続けるか」という問題についても考えた。それは個の努力でどうにかなる人もいるだろう(というか、それしかない)。
しかし、構造としてクリエイション・制作に携わる人たちにお金がしっかり渡るようにもしなければいけない。それは1ライター、1エディターとしていいコンテンツを作り続ける努力だけでは解決しない。今回鼎談に出られた三者のように、メディア、ビジネスのオーナーがしっかり挑戦し続けること、それをいろんな人たちがそれぞれの方法で支え続けるしかないのかなぁと思った。
いい本、いい記事、いい書き手、期待する作り手、面白いと思ったものにはちゃんとお金を払うこと。これはウェブメディアやウェブの記事についてだけ言えることではなくて、アニメや漫画など、いわゆる「コンテンツ」全般に関わる。
自分が作り手でなくても、面白いアニメや漫画、小説、記事などをこれからも楽しみたいのであれば、小さな努力かもしれないけれど、ちゃんと課金すること。もちろん作り手としては、「お金を出したくなる、出してもいい」コンテンツを作らなければいけないのだけれど。
今回このエントリに書ききれなかったことも含めて、いろいろと面白いネタ、エピソードもあったし、総じて満足なのだけれど、2時間近く(だったかな?)固い椅子に身体を縮こまらせて座っているのはちょっと辛かった。
B&Bは定期的に面白いことをやっているので、いつか行きたいと思っていたが、今回ようやく足を踏み入れられたのも収穫。ただ私鉄ユーザーではない私にしてみれば、やはりちょっと遠くて、天狼院のほうがアクセスの面で便利なため今後も頻用しそうだなと思った。
2015年6月7日日曜日
「活躍したいなら越境を。10年間何かをやり続けて人脈と知識で世界を広げよう」ーー【対談】ムラカミカイエ×軍地彩弓
軍地彩弓さんとムラカミカイエさんの対談をクリーク・アンド・リバーの企画「東京会談」で拝聴した。テーマは「ファッションとテクノロジーの未来」だ。前回、1月に軍地さんと千原徹也さんの対談が面白かったので期待して行ったが、今回も示唆に富む内容だった。
2015年5月20日水曜日
はあちゅう『半径5メートルの野望』感想――”当たり前”ができる強さ
はあちゅうと恋チュン
はあちゅうさんの『半径5メートルの野望』。突飛なことが書かれているわけではない。特別な境遇にある人にしかできない、特別なメソッドが提示されているわけでもない。いうなれば「当たり前」のこと、誰もが「そうすべきだよな」と思える方法や考え方がまとまっていると思う。でも、誰もがはあちゅうさんのようにはなれない。それはつまり、「当たり前」を続けることがいかに困難なことかということなのかもしれない。
発売してすぐに読んだ後、同僚に貸していたのが戻ってきたので、メモしておいた箇所について感想をまとめておく。
2015年5月13日水曜日
メディアが届けるものは読者が「読みたいもの」だけでいいのか――Webと新聞から考える 新時代のニュースとメディアに参加した
Webと新聞から考える 新時代のニュースとメディア~朝日新聞メディアラボで語り合う夜~に参加した。3人のパネリストのうち2人が朝日新聞の方(うち1人はハフに出向中)ということもあって、新聞出身の自分としては、もう1人のパネリスト、ログミーの川原崎晋裕さんの話のほうがササったので、振り返っておきたい。
2015年5月5日火曜日
【ドキュメンタリー】半世紀続く活版印刷の新聞社(秋田)――取材、組版、印刷など一人で担う80歳
テレメンタリー「たった一人の新聞社~活版印刷で半世紀~」を観た。人口2400人あまり、高齢化率50.2%の秋田県上小阿仁村で、半世紀にわたって新聞を発行し続けている加藤隆男さん(80)を追ったドキュメンタリー。タイトルを見て面白そうだと感じ、録画してすぐ観たのだが、何が伝えたいのかちょっと分かりづらかった。
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